Bande à pierrot

ティム・バートン、テネシー・ウィリアムズ、アレハンドロ・ホドロフスキー。

映画『コレクター』“可憐な少女をコレクションするのは万人の夢である”ー蝶が持つ意味とは?

こんにちは!Moekaです。

今日は前々から個人的に気になっていたことについて、ちょっとまとめてみたいと思います。(ほんとメモ代わりみたいな感じなのでご容赦ください...)

それは”の持つ意味についてです。

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ひらひら飛ぶ蝶は可愛らしくて、儚くて、いつまでもうっとり見ていたくなりますよね。でも前にこんな迷信(?)みたいなのを聞いたことがあって、それは

“蝶は死んだ人にしかとまらない”

というもの。あとは“黒い蝶が現れると死人が出る前触れ”とか、ちょっとぞくっとするような話、聞いたことある方も多いのではないかと思います。

調べてみたら仏教では蝶は“あの世とこの世を行き来できる生き物”“死者の魂を浄土へ運んでいってくれる”そんな意味があるようです。鎌倉時代の歴史書、吾妻鏡には“黄蝶の大群が鶴岡八幡宮のあたりに現れた”、怪異としてとらえられて記されているようです。なんでも法治合戦で命をおとした三浦氏一族の魂が蝶になって現れたとか。

蝶は芋虫から蛹になり、蝶へと姿を変える。その姿が肉体から抜ける魂、人間の姿と重ね合わされて考えられていたのかなあと。だから輪廻転生といった意味があるんですね。

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キリスト教では蝶は“復活”ギリシャでも“魂の象徴”なのだそうです。ギリシャ神話に登場する美女プシューケー、このプシューケーとは古代ギリシャ語で“息、呼吸、生命、魂”のこと。だからプシューケーが描かれる時は、蝶が登場することが多いそうなんです。

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(こちらはプシューケーと愛の神エロス)

 

そんな昔から人間の魂やこの世やあの世と結び付けられていた蝶々なんですけれど、ここでやっぱり映画の話を。蝶で連想させられる映画というと、『潜水服は蝶の夢をみる』であったりだとか羊たちの沈黙のポスター(あれは蛾か)最近ではアリスのままでなどなど他にもたくさんありますよね。『アリスのままで』は主人公アリスが「蝶の命は短いけれど美しい」と話すところがとても印象的でした。私がどうしても思い浮かべてしまうのは、この映画です...笑

『The Collector』(1965)』

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この映画は若きテレンス・スタンプ演じるイケメン(変態)紳士の主人公が、一目惚れした美しい女子学生を自宅に監禁するという(変態)映画です。本当にテレンス・スタンプ様かっこいいし、監禁はするもののそこそこ待遇はいい(持ってくる服の趣味もいいし、好きなことしていいよ!っていうし)し、まあ怖い話なんですけれど面白いんですよね... だって、誘拐の方法がクロロホルムなんですよ!クロロホルム!もう今の映画じゃそうそう見れないですよ!笑 睡眠針とかですよ!笑

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少し話がそれましたが、この主人公フレディなんですけど

 

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蝶の採集が大好きで。自宅にはこのように標本がいっぱい!誘拐したミランダに、「みてみて!僕のコレクションだよ!」って見せるシーンがあります。笑 でもこの蝶の採集も“人の魂をコレクションする”って考えるとまあ恐ろしいなと。笑 実際フレディはこの蝶々のように、きれいな女の子を“採集”しようとしていたわけですから... でも大好きな澁澤龍彦先生もこんなことを仰っています。

「蝶のように、貝殻のように、捺花のように、人形のように、可憐な少女をガラス箱のなかにコレクションするのは万人の夢であろう。」

まさにフレディは澁澤先生の仰る“万人の夢”を実現しようとしたわけですね。笑 この“万人の夢”はだめなんですけれど、ただこの『コレクター』も人気がある作品であるのは美しい魂をかき集めるっていう、何だかその“人間の背徳感に満ちた好奇心”みたいなのを刺激されるからかなあなんて思ったりします。

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いろいろとっちらかりましたが、蝶の持つ意味

  • この世とあの世を結ぶ生き物
  • 復活
  • 変化、生まれ変わり

などなどこれらのことを意識しながら蝶の登場する映画だったり本だったり絵だったりを見ると、今まで気づかなかった発見があるかもしれないなと...!『コレクター』はまだ観たことない人はぜひ観てみてください、監督はローマの休日』『ベン・ハーなどを手がけるウィリアム・ワイラーなんです😂 笑 ではではまた!