【007】第1作『ドクター・ノオ』ディナースーツが格好いい!ショーン・コネリーのスーツスタイルを振り返る
こんにちは!Moekaです。
秋も冬もみたい映画はたくさんありますが、
『キングスマン : ゴールデン・サークル』の公開は待ちきれませんね...(実は11月でした〜!12月でした〜!みたいなオチはないのかしら...)前作に引き続き楽しみの一つは、やっぱりスパイたちのファッション。今回特に注目を集めていると思うのは、タロン・エガートン演じるエグジーのオレンジのディナー・ジャケットですね!
イギリスではディナー・ジャケット、ヨーロッパ諸国ではスモーキング・ジャケット、アメリカではタキシードと呼ばれているジャケット。 パーティーや会食の時に着られる礼服です。イギリス英語でのスモーキング・ジャケットは厳密にはタキシードとちょっと違います。スモーキング・ジャケットはタキシードの原型になった服なのですが、その名のとおり紳士達が煙草を吸う時のためにデザインされたんですって。煙を吸収して、灰で衣服が汚れるのを守ってくれるそうです。ベルベットや絹の重厚なデザインにゾクゾクさせられますよね。
このディナー・ジャケットは『キングスマン』第1作においては、コリン・ファース演じるハリー・ハートも着用していました。ハリーがヴァレンタイン邸に潜入する時の服ですね。
ちょっとわかりづらいですがこちら。ダークネイビーのベルベット生地のデザインが素敵でした。これはキングスマンの衣装を手がける“MR PORTER”のものだと思います。“MR PORTER”、『キングスマン』モデルのスーツやらジャケットやらを売ってるんですよ...
このオレンジャケットは1,200£とかだったかな?でも売り切れでした。笑
さてこの格好いいディナー/スモーキング・ジャケットなのですが、やっぱり見ると思い出すのは初代ジェームズ・ボンド、ショーン・コネリー。
今回は格好いいディナー・ジャケットスタイルを見ることができる、『007』映画第1作『Dr.No(007 ドクター・ノオ)』のファッションを特集したいと思います。
ショーン・コネリーが着用したスーツについて
まずこの初代ボンド、ショーン・コネリーが『007』で身につけていたスーツ。これは『Anthony Sinclair(アンソニー・シンクレア)』というテーラーのものです。このテーラーは監督であるテレンス・ヤングが贔屓にしていたテーラーなのだそう。『ドクター・ノオ』の中では「どこのスーツ?」と聞かれて「サヴィル・ロウで作った」と答えるシーンがあります。このサヴィル・ロウとはロンドンの中心部にある、紳士服屋がそろったショッピングストリートのこと。本当はアンソニー・シンクレアはこのサヴィル・ロウではなく、近くのコンジット・ストリートに位置していたのだそうです。
コネリーが着用したアンソニー・シンクレアによる、“Condit cut(コンジット・カット)”と呼ばれるスーツ。とてもシンプルなことが特徴です。ナチュラルショルダー、胸のドレープやウエストのシェイプ、そして一回りほど大きめに作られていますね。(ボンドには欠かせないワルサーPPKのためでもある!)...なんでもテレンス・ヤング監督は第二次世界大戦に従軍しており、無骨な体の持ち主だったのだとか。コネリーも体が大きく、“肉体派”としての印象が強いですよね。
そんなショーン・コネリーがごつごつしすぎず、いつもスーツを身に包んでいるかのような優雅さをもって演出されているのは、テレンス・ヤング監督のチョイスが大きかった...!んだと思います。
このコンジット・カットは50年代のパリやローマ、いわゆる“コンチネンタル”スタイルに近いとも言われています。コンチネンタルと聞くとどうしても『ジョン・ウィック』がちらほら。笑 『ジョン・ウィック』のキャラとコネリーのスーツを見比べてみると、もしかしたら類似点が見つかるかも...?
ジェームズ・ボンド、初登場のスーツ
『007』シリーズでボンドが初登場した時に身を包んでいたスーツ。それはミッドナイト・ブルーのディナースーツ(シングル)でした。
光によっては濃紺や紫に見えるミッドナイトブルー、ブラックのツヤツヤのラペルがエレガントですよね。シャツはランバンの、フロントプリーツのドレスシャツ。ブラックサテンの蝶ネクタイ(ボウタイっていうのか。笑)。
コートは同じくミッドナイトブルーのチェスターフィールド・オーバーコート、帽子はホンブルグ・ハット。『007』シリーズのファッションにはブルーが印象的に登場する気がします。初登場の時のスーツもミッドナイトブルーだったんですね!
グレー × ブルーのスタイリング
中盤で着用しているのはダークグレーの二つボタンのスーツ。シャツはライトブルー、ターンナップカフといって折り返すタイプのものです。ネクタイはネイビーブルー。シャツ、ネクタイはともにイギリスのブランド“Turnbull&Asser(ターンブル&アッサー)”のもの。ダークグレー×ライトブルー×ネイビーブルーの組み合わせがなんとも爽やかで、ジェームズ・ボンドらしいスタイルな気がします。クライマックス前ではカジュアルにポロシャツを着ているのですが、そのポロシャツもライトブルーなんですよね。
『007』シリーズを観ていると、スーツのマナーの勉強にもなる...!と思います。3ピースでベストを着ている時は、立っていてもジャケットの前ボタンを開けていてもいいとか。(シャツが見えないから)座る時は前ボタンを開けてもいいとか。たまにボンドは立っている時もジャケットの前ボタンを開けている時がありますが、それは戦いでそれどころじゃなかったということで...笑
ちょっと自分のメモ代わりとしても『007』第1作『ドクター・ノオ』のスーツについて書かせて頂きました。これから振り返りがてら、『007』歴代ボンドたちのスタイルを書いていこうかな...!