映画『IT』感想 / 子供の時にだけあなたに訪れる怖すぎる出会い
こんにちは!Moekaです。
今回は2017年11月3日に公開されたホラー映画
『IT 』について書きたいと思います。
(この記事は映画『IT』『ゲット・アウト』の微ネタバレを含みます。)
『IT/イット それが見えたら、終わり。』
原作は言うまでもなく、スティーヴン・キングのホラー小説『IT』。キングも今回の映画を観て「素晴らしかった」と絶賛していたのだとか。殺人ピエロのペニーワイズを演じたのは、『シンプル・シモン』『アトミック・ブロンド』にも出演していたビル・スカルスガルドくん。
ペニーワイズ、超怖かったです。でもどことなくスカルスガルドくんの面影があって、劇中何回か妙にほっこりしてしまいました(違う)。
『IT』はアメリカでも高い評価を得ているようなのですが、その理由と魅力の一つはやっぱりペニーワイズに立ち向かうちびっこ達一人一人の描写がとても丁寧だったことにあると思います。一回しか観ていないけれど、全員名前覚えているほど!“ルーザーズ=負け犬組”の彼らが、恐怖の具現化であるペニーワイズを力を合わせて立ち向かう姿にうるっとさせられてしまいました。複雑な家庭環境、毒親、トラウマ、負い目 ...それをペニーワイズという荒療治(笑)で乗り越えていく、素敵な青春物語でした。
可愛い弟ジョージーを殺されてしまった、吃音を抱える少年ビル。
太っちょの転校生、ベン。
父親に性的虐待を受けていて、同学年の女子達には散々なことを言われている(嫉妬かな?)美少女、ビバリー。
口達者なメガネ少年、リッチー。
両親を事故で亡くし、ホームスクールで学習している黒人少年、マイク。
超絶過保護な母親を持つエディ。
ユダヤ教の家庭を持つスタンリー。
私はもじゃもじゃ髪のメガネ少年、おしゃべりのリッチーが可愛くて可愛くてもう。笑
メガネで口達者な男の子...と言うと、『ムーンライズ・キングダム』のサムも思い出します。笑 メガネキャラって“インテリキャラ”みたいに描かれることも多いけれど、“口達者キャラ”でもあるのかしら?
小学生頃に抱えている家庭問題とか、親のこととかって、成長した今では少し計るほどができないほど、本人達にとってはとても大問題で“怖い”ことだと思うんです。
ペニーワイズはそれぞれが怖いものに、『ハリー・ポッター』の“ものまね妖怪”のごとく姿を変えていきます。
ビルだったら、(乗り越えられない悲しい事件)弟のジョージー。
ビバリーはお父さん。
スタンリーは、(ユダヤ教と言うことを思い出させる)怖い絵の女性。
悪ガキ高校生にいじめられていた彼らが確実に強くたくましくなっていく姿に、まさかこんな感動させられるとは思わず...
にしても、ペニーワイズは子供達にしか見えません。子供にしか見えないといえば、『となりのトトロ』もですよね。笑
ペニーワイズとの出会いは“素敵”とは言い難いですが、トトロやペニーワイズのような、子供の時に成長のきっかけを与えてくれる“目に見えないもの”はやっぱり存在するのではないかなと思わされました。もう忘れているだけで、誰にでももしかしたら見えていたことかもしれないですしね。ペニーワイズは“誰の心にも宿る負の感情、負の感情を扇動させる存在”。自分の恐れと戦うことによって、みんな一つ大人になっていく。でもこの『IT』の続編は彼らの壮年期が描かれるわけですから、どのような展開になるかとても楽しみです。
余談
で、ペニーワイズのモデルといえば6年間で40人近くもの少年たちを殺した殺人ピエロこと、ジョン・ゲイシー。原作の『IT』が出版された頃は、まだジョン・ゲイシー事件がアメリカの人々に鮮烈な印象が残っていた頃と思います。それを青春物語に取り入れちゃうって、スティーヴン・キング...笑
しかし最近こんなニュースがありました。
1990年にピエロの格好をして人殺しをした、“キラークラウン”が逮捕されたというニュース。犯人はシーラ・キーンという女性。何が怖いって、“27年の時を経て”彼女は逮捕されたわけですけど、ペニーワイズも“27年周期で”現れるんですよ...偶然の一致にしても怖すぎる....
『IT』、続編はジェシカ・チャスティンの出演の声も上がっているようで?スカルスガルドくん、子役くんたちの活躍もとてもとても楽しみです!うるっとさせられて子供時代を思い出してエモくなってそれに母性が止まらなくなる、笑 怖い怖い映画でした!観てよかった!