Bande à pierrot

ティム・バートン、テネシー・ウィリアムズ、アレハンドロ・ホドロフスキー。

【日記】出発を控えて / 私がアメリカ留学を決めた理由

 

後2週間もしないうちにアメリカへ留学に行く。

アメリカに留学するよと1年前の自分に言ったらなんと言うだろう?「え、そうなの?」とびっくりするだろうし、「今までも散々悩んでたんだから、もっと早く行けばよかったじゃん」とちょっと呆れるかもしれない。「webのライターのお仕事も離れたよ」と言ったらもっとびっくりするだろうし、「なんでなんで?」ともっと聞かれそうな気がする。

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留学を決めたのは今年の8月ぐらいのことで、それから今思えばあっという間だったけれど8〜10月ぐらいまではとても長く感じた。早くどこかへ行きたくてたまらなかった。6月と7月に少しの期間アメリカへ行って過ごして、そこで学んだことは今までの中で一番と言ってもいいほどとても多くて、自分の中で考えたことも多かったし、大きかった。夏がなかったら留学は決めなかったと思う。時間が差し迫ってきた今、これからの留学のことを考えると楽しみな反面正直怖くて怖くて仕方がない。

 

私はアメリカの2年制大学、ロサンゼルスのコミュニティカレッジに映画を勉強しに行く。映画の撮影の方法から映画史、脚本だって学ぶ。演技のことも学ぶかもしれない。それ以外にも選択して哲学やら何やらも学んでいくかもしれない。

 

留学しないという道を選択したらどうだったか?そのことについても散々考えた。今までのようにライターを続けて、前よりも読みやすく記事を書けるようにはなっていっただろう。いろいろなプレミアへ取材へ行くこともあっただろう。もっと時間が経てば、取材へ赴くこともあっただろう。日本で知り合うことのできた様々な人と、何か一緒にやることもあったかもしれない。もっともっとお金が貯まって大人になって...日本で結婚をするかもしれなくて?いや、それでも絶対いつか、海外へ行く道を自分は選んだんじゃないかと思う。

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もっとこれをやればよかったと思うこともある。例えば、文字ではなく音声で、映画の紹介や考察を話すラジオもどきみたいなのをやってみたりだとか。ZINEを作ってみたりだとか。もう直ぐ留学に行くからとやめるのではなく、どうであれ動き出してみればよかったんじゃないかと。それでも、周りの評価がどうだったとして、自分にとってそれが“今までやってきたこと、発信してきたことの形を変えただけ”という結論になってしまうのは、よく分かっている。それは私には知識の土台がないからだ。

 

映画に関わるお仕事をしていくのは(どんな仕事もそうだけれども)とても難しいと思っている。

映画が好きだ。じゃあ映画界に対してどのような貢献をしたいのか?今の映画界に対してどのように思っているのか?映画を本当に愛しているならどのようなことがしたいのか?映画を使って、社会にどのようなメッセージを送る人間になりたいのか?映画を使って、人にどのようなポジティブな作用を与える人になりたいのか?これに関して、自分はまだ明確な答えを持っていない。どちらかといえば、“人に、社会に”というよりも“自分はこういう研究をしたい”“自分はこんなことを知りたい”“こんなものを作ってみたい”そういった“自分のために、どうこうする”というわがままな気持ちが強い。

 

映画に関して文章に関してど素人だけれど、精一杯の気持ちで映画を紹介するお仕事をしてきた。どんな記事を書いたら楽しんでもらえるかと考えてきた。でももうそれをやめよう、次のステップに行こうと思って留学に行くことを決めた。生意気かもしれないけれど、“楽しいこと、面白いこと”以上に“ためになること”を発信できる人になりたいと思った。毎日毎日流れていくニュースではなく、これから先も残り続ける“考え”を書く人になりたいと思った。今の自分はまだ吸収する側で、“ためになること”を発信するなんて、到底無理だった。

 

留学に行ってみてどうなるだろう?日本人がいない環境に1人飛び込んでみてどうなるだろう?全く分からない。自分が全く使い物にならないと分かる瞬間があるかもしれない。映画界にとって必要のない人間だと思わされる時がくるかもしれない。素晴らしい映画評論や考察なんてできっこないかもしれない。脚本なんて書けないかもしれない。自分は全く特別な人間じゃないと思わされるかもしれない。日本に帰ってきて、またライターに戻るかもしれない。何を学んだんだろう?と自問する時がくるかもしれない。こんなに好きな映画を好きではなくなることがあるかもしれない。

 

でも、それはまだ分からないことだ。誰も知らないことだし、自分の中にも答えがないことだ。それで悩むのはもちろん馬鹿げている。分からないから、だからこそ、リスクを自分から背負いたい。自分は絶対に愛を持って映画界に貢献する人間になるんだと、大きな声で今言い聞かせたい。さぼらない。手を抜かない。妥協しない。恐れない。学ぶことを忘れない。少しくじけたらやめてしまいそうになるこれらのことを、絶対にしないと、自分に課したい。そうじゃなきゃ日本を出る意味がないから。

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自分が日本を離れる間、web媒体もどんどん変わるだろうし、映画界も変化するだろう。アメリカから歯ぎしりしたくなるほど悔しい思いをするかもしれない。それでも、絶対にいつか、今考えつかないような大きなものを生むために、頑張り続ける。気持ちが弱くなったら今書いたこのブログを見返そうと思う。

 

ブログを始めたことは自分の中で、「やってよかった!」と今年大きく思ったことの一つ。Twitterで毎日映画のことを発信したのも、小さいかもしれないけど続けてよかったうちの一つ。ライターをしていた時から知ってくださっている方もコメントをくださる方もいて、「こんな私に...」と嬉しい気持ちでいっぱいだった。これからも映画のこと、それから留学のことも書いていくつもりでいるので、応援してくださると本当に嬉しいです。もっと面白い記事を書けるように、より読む価値のある記事を書けるライターになれるように精進してまいります。

 

 

まだもうちょっといるけどバイバイ日本。あ、かたっくるしくなっちゃったけど最後にアメリカで密かに願ってること。町山智浩さんにお会いしたい!笑