Bande à pierrot

ティム・バートン、テネシー・ウィリアムズ、アレハンドロ・ホドロフスキー。

Twitterのタグ#名刺代わりの映画10選 で自己分析記録パート②

前回に引き続いて、Twitterのタグ #名刺代わりの映画10選 の

続きを書いていこうかと思います:) 後で見返した時、「自分こういう理由で選んだんだ」って思えるように!笑

 

 

(5作品のネタバレをちょこちょこ含みます。)

 

価値観(影響を与えられたもの)編

1.時計仕掛けのオレンジ

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今の自分自身にも生活にも映画は絶対欠かせないものですが、その“映画”に大惚れしたきっかけの作品の一つがこのスタンリー・キューブリック監督の『時計仕掛けのオレンジ』。初めて観たのは14歳とか15歳の時だったかな。交響曲第9番』『泥棒かささぎ』『雨に唄えばクラシック音楽にのせてコミカルに凄惨に描かれる暴力描写、近未来の美しいディストピア世界、アレックスたちのナッドサッド語...暴力というアイディンティティを持つアレックスに、正直その時どう作用されたのかは自分のことですが今でもよく分かりません。ただこの作品以上に五感全部で惹かれるような映画は無い気がしたので、10選にチョイス。

『時計仕掛けのオレンジ』が公開されたあと、登場人物たちを真似てか様々な事件も起こったし、監督のもとには脅迫状も送られてきたそうですね。でもそのあとにキューブリックが放った言葉「芸術家は、芸術にだけ責任を持てばいい。」この言葉もひっくるめて、“名刺代わりの映画”でもあり“オールタイムベスト”はやっぱりこの作品だなあ。

 

2.エンドレス・ポエトリー

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つい最近観たばかりのアレハンドロ・ホドロフスキー監督作『エンドレス・ポエトリー

 御年もう90歳...?のホドロフスキー監督の魂の叙情伝を“名刺代わりの映画”に入れちゃうなんてのはものすごくおこがましいことだと思うのですが(それはどの作品にも言えるか)。でも『エンドレス・ポエトリー』は数ある人生が前向きになれるような、気持ちを奮い立たせられるような映画の中で一番個人的な感情に突き刺さった作品です。自分が観たタイミングがちょうどよかった、ということもあります。

これからいままで生きてきた人生よりもっともっと長い時間を生きていく中で、全ての瞬間を受け入れて、肯定して、そして台詞にもあるように“背水の陣”で突き進んでいこうと決意させられました。

3.ファイト・クラブ

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この作品にどれだけの人が衝撃を受け、奮い立たせられたことでしょう。私もその1人です。

「まず最初に頼みがある。俺を思いっきり殴ってくれ」何度観てもあの台詞一つ一つにぞくっとさせられます。笑 感想を語る上で使い古されている言葉かもしれませんが、なんかこう...「やってやる!」ってなりますよね。笑 「生きるぞ!」って。笑 痛みから逃げないこと、自分自身と向き合うこと、成長する上での苦しみを恐れないこと、鏡に映る自分をいつか愛せるようになること。10代のうちに観ておいてよかったと思っています、本当に。“戦いに飛び込んでみること、自分自身の”この映画を観るたびに思わされる気持ちを忘れずに毎日を過ごしていきたい、と思います。

 

4.ベティ・ブルー 愛と激情の日々

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1年前だったら、この映画は“恋愛に影響したもの”としてチョイスしていたかもしれません。以前このブログで“ベティ・ブルーは恋愛映画ではないということがわかった”と書いたことがあります。今はこの作品もファイト・クラブ』と似たような映画として観ています。

小さい頃から、“小説家になりたい”という夢をこっそり抱いています。自分も物語を書きたいなあと。たまに短い物語や詩を書いていますがどれも後から読み返せば、「これ絶対もうすでに世の中に存在してるやんけ」と突っ込みたくなるようなものばかり。笑 『ベティ・ブルー』のゾルグも小説家になりたいという夢を持っていますが、なかなか行動に移そうとしません。そこに舞いおりるのがいわば『ファイト・クラブ』のタイラーのような存在、ベティ。彼女はゾルグに“小説家になる”という夢を定めさせて、そして彼の元をそっと去っていきます。ゾルグはベティという存在なしで歩んでいけるようになる。

 

ただやっぱりベティの燃えるような愛に惹かれるのも事実。笑 人間関係や愛情というのは、その人とその人“一対一”にしか理解できないような関係がもっとも固くて、美しいものなのかなと思わされたりもします。

でも自分はベティのようになりたくない!笑 これぐらいの恋愛感情を抱くことがあっても、ゾルグの立場でいたいなあ...笑 というわけでチョイス。

5.ビッグ・フィッシュ

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昔のホラー映画が好きなティム・バートン監督の作品は、『スウィーニー・トッド』や『エド・ウッド』『フランケンウィニー』など怪しくて美しいモノクロ映像も魅力だと思いますが、『ビッグ・フィッシュ』のこのお花畑のシーンの神々しさったら無いのでは無いでしょうか...

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いつもホラ話ばかりする父親とずっと確執があった主人公。しかし父親が病床に伏せてから、初めて自分が知らなかった彼の人生が浮き彫りになっていく...自身も父親と相容れなかった、決して幸福とは言えなかった幼少期を過ごしていたと語るティム・バートン監督の“父と子の和解、許し、愛”の物語です。

ファンタジックな世界観で可愛らしい映像だけれど、『ビッグ・フィッシュ』はじめティム・バートンの作品はとても“大人”だと思います。

今嫌いな人、愛せない人、否定したいこと、どうしても肯定できないこと...それを全部許して「ああ自分はこれをずっと憎んできたけれど、本当はそのことからも影響を受けていたんだ」と、そのことを受け入れて許す作品だから。それができるようになるまでどれくらいの時間がかかるんでしょう...でも全て“自分が今は会得していることなんだ”って思えた時、その瞬間を『ビッグ・フィッシュ』は描ききっているのではと思います。 また現実の世界と空想の世界を行き来しながら自分だけの幸せを見つけていけばいいんだよと、その経験がいつか大事な人を幸せにできるよなんていうことを教えられたような気がします。これからも何度も観返したい作品。

 

結局#名刺代わりの映画10選 散々考えたのですが9作品しか出てきませんでした。笑 半年後にはまた変わってるかも...笑 もっと考察したら自分のことも知れる気がします😂